著者
臼井 久実子
出版者
日本コミュニケーション障害学会
雑誌
コミュニケーション障害学 (ISSN:13478451)
巻号頁・発行日
vol.21, no.2, pp.129-136, 2004-08-25 (Released:2009-11-19)
参考文献数
3
被引用文献数
1

新しく成立した言語聴覚士法が,古くからの欠格条項パターンを踏襲したことは,衝撃を与え,欠格条項撤廃を求める活動が盛り上がるきっかけになった.2001年,聴覚障害を理由に薬剤師免許を阻む欠格条項が削除され,新たに資格を得る人,学ぶ人が出ている.医師国家試験は,初めて視覚障害者の受験に配慮,視覚等に障害がある医師が誕生.障害者には危険で不可能とされてきた分野も,確かに変わり始めた.世界で40ヵ国以上が障害者にかかわる差別禁止法制をもつ中,日本でも差別禁止法制定への機運が高まっている.欠格条項をなくすとは,法制度を変えるだけでなく,社会の障害者に対する態度,枠組みを変えること.劣等のレッテルを貼られず,分け隔てられず,必要な支援を得て学び働けるようにすること.これからも,専門職,障害者運動といった立場をこえて情報を共有し,手を携えて歩みを進めたい.

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@u0d0714d 絶対的欠格は聴覚障害者にはないかと思います。 相対的欠格はやはりいくつかの制限を設けた上ではありますけれど
恥ずかしながら、絶対的欠格事項の廃止の歴史を知らなかったのでメモ。 J-STAGE Articles - 〈コミュニケーション障害への社会的支援:当事者,支援者とのネットワークづくり〉欠格条項撤廃に取り組んで:聴覚障害者の立場から https://t.co/X2yPWmqLPP
医療系のお仕事をされている方で 片耳難聴持ちの人はどれくらいますかー?
@marxindo https://t.co/947FL5Bkw3 公認心理師(法)は名称独占資格で、医師(法)は業務独占資格ですから。

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