著者
岡田 努
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.346-356, 2016 (Released:2018-12-20)
参考文献数
45

本研究は青年期の友人関係の現代的特徴について検討を行ったものである。研究1では,青年の友人関係に変遷が見られるかどうかについて,1989年から2010年にかけて実施された調査に基づいて検討した。各研究で共通する項目についての項目得点の平均値を比較した結果,明確な変容は確認されなかった。青年全体の特徴についで,研究2では,青年の現代的特質についての個人差について検討した。青年の対人的な敏感さを示す現象として注目される「ランチメイト症候群」傾向について,同じく現代的な対人不適応の型とされる「ふれ合い恐怖的心性」を取り上げ,これと友人関係,自己意識,および自己愛傾向との関連について比較を行った。その結果,ランチメイト症候群傾向が高い者ほど過敏性自己愛が高い傾向が見られた。またふれ合い恐怖的心性が高い者は友人関係から退却することで不安から逃れ安定する傾向が見られるのに対して,ランチメイト症候群傾向を示す者は他者の視線を気にすることで,不安定な状態にとどまることが示された。青年の全体像だけではなく,差異にも注目することが,発達心理学が青年期の時代的な姿を明らかにする上で有効であろう。それとともに,その発生のメカニズムについて明らかにすることが必要となるだろう。

言及状況

外部データベース (DOI)

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【文献情報】 岡田 努 (2016). 青年期の友人関係における現代性とは何か. 発達心理学研究 27(4), 346-356. https://t.co/EaLyaa9190
【論文】岡田(2016) 発心研/「青年期の友人関係における現代性」を検討した論文。研究1での著者の過去の研究(1989~2010)の再分析では明確な変容がみられなかった。研究2では「ふれあい恐怖的心性」と「ランチメイト症候群」を取り上げて自己愛傾向との複雑な関連を確認。https://t.co/neAKCfVPxV https://t.co/LNuQH9YcCY

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