著者
岡田 努 OKADA Tsutomu
出版者
金沢大学人間社会研究域人間科学系
雑誌
金沢大学人間科学系研究紀要 = Bulletin of the Faculty of Human Sciences Kanazawa University (ISSN:18835368)
巻号頁・発行日
vol.13, pp.27-44, 2021-03-31

A number of qualitative studies have revealed that Japanese railroad enthusiasts have low self-esteem, are emotionally distant from others, and possess autistic tendencies. However, very few empirical psychological studies have been conducted on this phenomenon. The participants included 412 adolescents who completed a questionnaire on their hobbies, level of enthusiasm, self-esteem, friendships, and autistic tendencies. Latent class analysis revealed four classes of adolescents: 1) unenthusiastic adolescents only interested in tours and/or riding trains; 2) those obsessed with riding trains, viewing stations, traveling, reading timetables, and planning imaginary trips; 3) those obsessed with riding trains, but not with reading timetables and/or planning imaginary trips; 4) and those obsessed with all kinds of railroad hobby activities who mostly had high scores for enthusiasm. Although no significant differences were found for self-esteem and autistic tendencies amongst the four classes, on the friendship scale, those in class 4 were careful not to be hurt by their friends and were emotionally distant from their friends.
著者
岡田 努
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.162-170, 1993-11-10 (Released:2017-07-20)
被引用文献数
3

従来青年期の特質として記述されてきたものとは異なり, 現代青年は, 内省の乏しさ, 友人関係の深まりの回避といった特徴を示していると考えられる。こうした特徴は, 新しい対人恐怖症の型として注日される「ふれ合い恐怖」の特徴とも共通すると考えられる。本研究は, 「ふれ合い恐怖」の一般健常青年における現れ方 (ふれ合い恐怖的心性) を, 内省, 友人関係の持ち方, 自己評価間の関連から考察した。内省尺度・友人関係の深さに関する尺度を変量としたケースのクラスタ分析の結果, 3つの大きなクラスタが得られた。第lクラスタは内省に乏しく友人との関係を拒否する傾向が高く, 「ふれ合い恐怖的心性」を持つ群と考えられる。第2クラスタは内省, 対人恐怖傾向が高く自己評価が低い, 従来の青年期について記述されてきたものと合致する群であると考えられる。第3クラスタは自分自身について深く考えず友人関係に対しても躁的な態度を示し, 第1クラスタとは別に, 現代青年の特徴を示す群と考えられる。この群は自己評価が高く, 対人恐怖傾向については, 対人関係尺度の「他者との関係における白己意識」下位尺度得点以外は低かった。これらのことから, 現代の青年の特徴として, 自分自身への関心からも対人関係からも退却してしまう「ふれ合い恐怖的心性」を示す青年と, 表面的な楽しさを求めながらも他者からの視線に気を遣っている群が現れている一方, 従来の青年像と合致する青年も一定の割合存在することが見いだされた。
著者
岡田 努
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.346-356, 2016 (Released:2018-12-20)
参考文献数
45

本研究は青年期の友人関係の現代的特徴について検討を行ったものである。研究1では,青年の友人関係に変遷が見られるかどうかについて,1989年から2010年にかけて実施された調査に基づいて検討した。各研究で共通する項目についての項目得点の平均値を比較した結果,明確な変容は確認されなかった。青年全体の特徴についで,研究2では,青年の現代的特質についての個人差について検討した。青年の対人的な敏感さを示す現象として注目される「ランチメイト症候群」傾向について,同じく現代的な対人不適応の型とされる「ふれ合い恐怖的心性」を取り上げ,これと友人関係,自己意識,および自己愛傾向との関連について比較を行った。その結果,ランチメイト症候群傾向が高い者ほど過敏性自己愛が高い傾向が見られた。またふれ合い恐怖的心性が高い者は友人関係から退却することで不安から逃れ安定する傾向が見られるのに対して,ランチメイト症候群傾向を示す者は他者の視線を気にすることで,不安定な状態にとどまることが示された。青年の全体像だけではなく,差異にも注目することが,発達心理学が青年期の時代的な姿を明らかにする上で有効であろう。それとともに,その発生のメカニズムについて明らかにすることが必要となるだろう。
著者
岡田 努
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.135-148, 2007-01-31
被引用文献数
4

本研究は大学生の友人関係の特徴と適応および自己像の関係を検討したものである。本研究では以下の変数について調査が行われた。友人関係,自己愛傾向,境界性人格障害傾向,自尊感情,現実自己像,理想自己像である。青年の友人関係のパターンを見出すためクラスタ分析により回答者を分類した。その結果 以下のような結果が得られた。1)内面的な友人関係を取る青年群は,病理的自己愛や境界性人格障害傾向が低く,自尊感情得点が高いなど適応的であり,また社会的側面における現実・理想自己像間の差得点と自尊感情得点の間に負の相関関係が見られた。2)現代的な友人関係を取る青年群は,不適応的で,身体的,活動的,社会的側面について,現実自己像と理想自己像の差得点と自尊感情の間に負の相関関係が見られたが,心理的側面との間では相関関係は見られなかった。
著者
岡田 努
出版者
金沢大学人間社会研究域人間科学系
雑誌
金沢大学人間科学系研究紀要 (ISSN:18835368)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.19-34, 2012-03-31

本研究は,青年の友人関係に関して,友人から傷つけられることを回避する傾向及び友人を傷つけることを回避する傾向に特化した尺度(傷つけ合い回避尺度)を作成し,その信頼性と妥当性を検討したものである.234 名の高校生と227 名の大学生に対して,友人関係,配慮・熟慮,被受容感,被拒絶感,自尊感情に関する各尺度についての質問紙調査が実施された.その結果,友人関係については,新たに作成された36 項目の尺度項目から「傷つけられ回避」「距離確保」「礼儀」「傷つけ回避」と命名しうる4因子が得られ,高い内的一貫性が認められた.また「配慮・熟慮」との間で関連する下位尺度に高い相関が見られたことから併存的妥当性も確認された.さらに構成概念妥当性の確認のため,先行研究(岡田,2011)と同様のモデルでの共分散構造分析を行った結果,十分な適合度が得られ,岡田(2011)と同様に,「友人から傷つけられることを回避する」ことが,「友人から傷つけることを回避する心性」を経て,「被拒絶感」を抑制し,結果的に自尊感情を維持させる構造が示された.This study develops the "friendship scale" focusing on adolescents that measures two features: "being careful not to be hurt by their friends" and "being careful not to hurt their friends." A survey that measured friendship, concern for others/discreteness, sense of acceptance, sense of rejection,and self-esteem was administered to 234 senior high school students and 227 college students. Survey results showed that the 36 items of the friendship scale conformed to a 4-factor structure with high internal consistency. Concurrent validity was indicated by high correlation with the"concern for others/discreteness" scale. A structural equation modeling analysis was employed to test the construct validity. The results suggest that the tendency of "being careful not to be hurt by their friends" inhibited the "sense of rejection" in the subjects through "being careful not to hurttheir friends," and ultimately improved their self-esteem according to the model of Okada (2011).
著者
岡田 努
出版者
福島大学
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2006

科学史上の著名な実験の再現や明治期の子ども向け科学啓蒙書に見られる実験等の再現研究を実施し、文献に記載されていない素材や加工技術等を当該時代の技術・生活・文化・歴史まで考察し、自然科学研究の発展を学際的・横断的にとらえることを主に研究を実施した。この成果は別添の論文や学会等で報告するとともに、さらに小中学校および高校向けの理科教材へも取り入れ、その実験が行われた当時の歴史・文化・技術等との関わりを盛り込んだ「科学実験工作プログラム」へと発展した。県内外から30件以上もの子ども向け・科学指導者向けの講演・講座等の依頼を受けこの研究成果を活用した。特筆すべきは文部科学省が指定する「スーパーサイエンスハイスクール」指定高校からの依頼で、意外と見過ごされがちな文系や理科が苦手な生徒向けにこれらの成果を活用した授業を実施し好評を得て、同校から次年度以降も協力要請を得ることができたこと。また特許庁主催「平成19年度知的創造サイクル啓発事業」では、指導員としエ同研究の成果を「ものづくりにみる、科学・技術・社会-科学史の視点から知的創造サイクルを考える」という演題で全国各地で講演した。従来、発明や知的財産等の普及活動といえば企業等で長年研究開発に携わった者の経験を伝えるのが主であったが、本研究の科学教育における学際的・総合的な視点が発明や知的財産の普及に活用できるという点を評価され、本研究計画時点では想定していなかった新しい分野を開拓することができた。本研究の成果は以下に示すように今年度は論文・学会等の数では必ずしも多いとはいえないが、教育現場や他の各種講演等で実践を通し研究を非常に多く実施することができたことは大きな成果であり、今後それらの成果を順次発表する予定である。
著者
岡田 努
出版者
日本青年心理学会
雑誌
青年心理学研究 (ISSN:09153349)
巻号頁・発行日
vol.519, pp.43-55, 1993-10-01

金沢大学人間社会研究域人間科学系
著者
岡田 努
出版者
一般社団法人 日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.346-356, 2016

<p>本研究は青年期の友人関係の現代的特徴について検討を行ったものである。研究1では,青年の友人関係に変遷が見られるかどうかについて,1989年から2010年にかけて実施された調査に基づいて検討した。各研究で共通する項目についての項目得点の平均値を比較した結果,明確な変容は確認されなかった。青年全体の特徴についで,研究2では,青年の現代的特質についての個人差について検討した。青年の対人的な敏感さを示す現象として注目される「ランチメイト症候群」傾向について,同じく現代的な対人不適応の型とされる「ふれ合い恐怖的心性」を取り上げ,これと友人関係,自己意識,および自己愛傾向との関連について比較を行った。その結果,ランチメイト症候群傾向が高い者ほど過敏性自己愛が高い傾向が見られた。またふれ合い恐怖的心性が高い者は友人関係から退却することで不安から逃れ安定する傾向が見られるのに対して,ランチメイト症候群傾向を示す者は他者の視線を気にすることで,不安定な状態にとどまることが示された。青年の全体像だけではなく,差異にも注目することが,発達心理学が青年期の時代的な姿を明らかにする上で有効であろう。それとともに,その発生のメカニズムについて明らかにすることが必要となるだろう。</p>
著者
岡田 努
出版者
Japan Society of Personality Psychology
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.11-20, 2011
被引用文献数
3

本研究の目的は,現代青年の友人関係が自尊感情に及ぼす構造(影響)を検討するものである。友人関係,被受容感,被拒絶感,自尊感情の尺度について246名の高校生と236名の大学生に対して実施された。これらの青年に対して友人関係のパターンを見出すためクラスタ分析が実施され,3つのクラスタが見出された。1)情緒的に近い関係を回避する青年,2)情緒的に近い関係を持つ青年,3)友人から傷つけられたり,友人を傷つけることを避け,また友人と群れていようとする傾向が高い青年である。共分散構造分析の結果,傷つけられることを回避することが,傷つけることを回避する心性を経て,被拒絶感を低減し,結果的に自尊感情を維持させることが示唆された。
著者
岡田 努
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.15, no.2, pp.135-148, 2007 (Released:2007-04-10)
参考文献数
44
被引用文献数
6 4

本研究は大学生の友人関係の特徴と適応および自己像の関係を検討したものである。本研究では以下の変数について調査が行われた。友人関係,自己愛傾向,境界性人格障害傾向,自尊感情,現実自己像,理想自己像である。青年の友人関係のパターンを見出すためクラスタ分析により回答者を分類した。その結果,以下のような結果が得られた。1) 内面的な友人関係を取る青年群は,病理的自己愛や境界性人格障害傾向が低く,自尊感情得点が高いなど適応的であり,また社会的側面における現実・理想自己像間の差得点と自尊感情得点の間に負の相関関係が見られた。2) 現代的な友人関係を取る青年群は,不適応的で,身体的,活動的,社会的側面について,現実自己像と理想自己像の差得点と自尊感情の間に負の相関関係が見られたが,心理的側面との間では相関関係は見られなかった。
著者
岡田 努
出版者
一般社団法人日本発達心理学会
雑誌
発達心理学研究 (ISSN:09159029)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.162-170, 1993-11-10
被引用文献数
4 15

従来青年期の特質として記述されてきたものとは異なり, 現代青年は, 内省の乏しさ, 友人関係の深まりの回避といった特徴を示していると考えられる。こうした特徴は, 新しい対人恐怖症の型として注日される「ふれ合い恐怖」の特徴とも共通すると考えられる。本研究は, 「ふれ合い恐怖」の一般健常青年における現れ方 (ふれ合い恐怖的心性) を, 内省, 友人関係の持ち方, 自己評価間の関連から考察した。内省尺度・友人関係の深さに関する尺度を変量としたケースのクラスタ分析の結果, 3つの大きなクラスタが得られた。第lクラスタは内省に乏しく友人との関係を拒否する傾向が高く, 「ふれ合い恐怖的心性」を持つ群と考えられる。第2クラスタは内省, 対人恐怖傾向が高く自己評価が低い, 従来の青年期について記述されてきたものと合致する群であると考えられる。第3クラスタは自分自身について深く考えず友人関係に対しても躁的な態度を示し, 第1クラスタとは別に, 現代青年の特徴を示す群と考えられる。この群は自己評価が高く, 対人恐怖傾向については, 対人関係尺度の「他者との関係における白己意識」下位尺度得点以外は低かった。これらのことから, 現代の青年の特徴として, 自分自身への関心からも対人関係からも退却してしまう「ふれ合い恐怖的心性」を示す青年と, 表面的な楽しさを求めながらも他者からの視線に気を遣っている群が現れている一方, 従来の青年像と合致する青年も一定の割合存在することが見いだされた。