著者
松木 明好
出版者
Japanese Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy
雑誌
物理療法科学 (ISSN:21889805)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.33-38, 2022 (Released:2022-08-20)
参考文献数
22

理学療法対象症例の病態や予後,介入効果の推定のために神経生理学的評価が用いられることがある.これは脳,脊髄,末梢神経,筋の機能性を評価するものであり,運動に関連する代表的なものに,(1)筋電図,(2)運動誘発電位,(3)H反射を観察する方法がある.(1)表面筋電図は筋収縮に伴って発生する皮膚上の電位変化を記録するものである.これを用いることで異常運動の原因となっている筋活動のタイミングや活動量の異常を捉えやすくなることが期待される.(2)片側運動野への経頭蓋磁気刺激によって対側末梢筋の筋電図上に運動誘発電位が記録される.この運動誘発電位は脳卒中片麻痺の機能回復の予測や,皮質脊髄路機能の変化を推定することに利用されている.(3)H反射は脊髄運動神経群の興奮性を反映して変化することから,痙縮の病態の一部を反映すると考えられる.いずれにおいても,波形の成り立ちや誘発の機序,関与する神経回路,技術的に懸念される点を考慮して活用することが重要である.

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