著者
江上 園子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.61, no.2, pp.169-180, 2013 (Released:2013-10-10)
参考文献数
34
被引用文献数
5 1

本研究は, 幼児を持つ夫婦304組(合計608名)を対象にして, 父親と母親の「母性愛」信奉傾向が両者の抱く夫婦関係満足度と養育態度へ与える影響を家族システムの観点から検証したものである。分析の結果, 父親(夫)の場合, 自身と母親(妻)の「母性愛」信奉傾向は夫婦関係満足度に影響しないが, 母親の場合は父親と自身の「母性愛」信奉傾向の交互作用効果が見られ, 夫婦双方の「母性愛」信奉傾向が低い場合に夫婦関係満足度が高く, 父親の「母性愛」信奉傾向が高く自身の「母性愛」信奉傾向が低い場合に夫婦関係満足度が低いということがわかった。養育態度については, 父親の場合, 夫婦関係満足度が高いと子どもへの応答性も統制も強くなり, 積極的に子どもとかかわる姿勢が見られるということ, 自身の「母性愛」信奉傾向が2つの養育態度に異なる作用の仕方をしているということが認められた。母親の場合には父親と自身の「母性愛」信奉傾向の交互作用効果が認められ, 夫婦双方の「母性愛」信奉傾向が高い場合に応答的な養育態度が高く, 父親の「母性愛」信奉傾向が高く母親の「母性愛」信奉傾向が低い場合に応答性は低かった。父親と母親で, 「母性愛」信奉傾向の夫婦関係満足度と養育態度への作用の様相が異なることが議論された。

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「社会が求めるお母さん像」を夫だけが妻に求めてる場合は、妻にはそれだけプレッシャーがかかって夫婦関係満足度が低くなるかも。「ちゃんとお母さん出来てるのか不安」な気持ちを、夫をはじめとした家族や環境で、前向きなエネルギーに変えていける世の中がいいね。https://t.co/evi1sTKYqd

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