著者
岡安 孝弘 高山 巌
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.48, no.4, pp.410-421, 2000-12-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
27
被引用文献数
9 17

本研究では, いじめ防止対策およびいじめ被害者・加害者の精神的健康を改善する方法を考案する上での基礎資料を得るために, 中学生のいじめ被害・加害経験と心理的ストレスとの関係について検討した。6,892名の中学生に対するいじめ被害・加害経験の頻度, ストレス症状および学校ストレッサーに関する調査結果から,(a) 中学生のいじめへの関わり方は, 無視・悪口被害群, 全般的被害群, 無視・悪口加害群, 全般的加害群, 非関与群の5つのグループに類型化できること,(b) 全般的被害群にはストレス症状が全般的に高い者が多く, 関係性攻撃の被害者も特に抑うつ・不安傾向が高いこと, また両者とも学業に関するストレッサーの経験頻度が高く, それを嫌悪的と感じている者が多いこと,(c) 全般的加害群には不機嫌・怒りや無気力のレベルが高い者が多く, さらに先生との関係が良好でない者が多いこと, などが明らかにされた。最後に, いじめ被害者および加害者への心のケアのあり方といじめの実態を査定する上での問題点について論議した。

言及状況

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・いじめの非関与群。全体の約半数を占める。https://t.co/CDIV3QDrnq 全般的加害群のほうが非関与群よりもストレス反応が大きい https://t.co/gFaK7xNqpY
性差によっていじめの傾向に違いがあるか? 2000年の中学生を対象とした調査では、心理的ないじめ、身体的ないじめで性差があるようだ。 https://t.co/3qlaOeZ2NT https://t.co/PDubXwsJfr
https://t.co/E1TDVCa9dD

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