著者
小塩 真司
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.261-270, 2002-09-30 (Released:2013-02-19)
参考文献数
33
被引用文献数
12 8

本論文の目的は理論的に指摘される2種類の自己愛を考慮した上で, 自己愛傾向の観点から青年を分類し, 対人関係と適応の観点から各群の特徴を明らかにすることであった。研究1では511名の青年 (平均年齢19.84歳) を対象に, 自己愛人格目録短縮版 (NPI-S), 対人恐怖尺度, 攻撃行動, 個人志向性・社会志向性, GHQを実施した。NPI-Sの下位尺度に対して主成分分析を行い, 自己愛傾向全体の高低を意味する第1主成分と,「注目・賞賛欲求」が優位であるか「自己主張性」が優位であるかを意味する第2主成分を得た。そして得られた2つの主成分得点の高低によって被調査者を4群に分類し, 各群の特徴を検討した。研究2では, 研究1の各被調査者のイメージを彼らの友人が評定した。384名を分析対象とし, 各群の特徴を検討した。2つの研究を通して, 自己愛傾向が全体的に高い群を, 理論的に指摘される2種類の自己愛に類似した特徴を示す2つの群に分類可能であることが示された。

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自分が昔書いたこの論文(https://t.co/uck6shrDny)も、清水さんの論文(https://t.co/EML5uAYJ5V)も、相澤先生の論文(https://t.co/VjLyB9PggF)も、中山さんの論文(https://t.co/5y4fnWq5Y9)も、みんな2種類の自己愛をどう測定するかを問題にしている。 https://t.co/cBv4fxexAS

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