著者
糟谷 信彦 清野 薫風 横尾 謙一郎 隅田 明洋 宮藤 久士
出版者
一般社団法人 日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.104, no.6, pp.343-349, 2022-12-01 (Released:2022-12-13)
参考文献数
33

センダンは成長が早く,芽かきにより通直な幹がえられることから注目されており,そのため利用可能な木質バイオマスの地上部への配分の把握が重要となるが,センダンの地上部と地下部への重量配分の測定例はまだない。そこで本研究では,13年生センダンの地上部と地下部の各器官重を把握し,乾重配分および根系分布の特徴を明らかにすることを目的とした。2016年11月に熊本県の13年生センダン林にて6個体を調べると,地上部重合計において,幹,枝,葉はそれぞれ81.5,17.4,1.1%で,地下部/地上部比(R/S比)は平均0.25であり,個体サイズが大きいほどR/S比が大きく根の成長が優先していた。センダン根系に注目すると,本調査地の黒ボク土壌では垂下根が発達し一次根の54%(重量ベース)を占め,垂下根の方が水平根より長かった。各個体の根の最大深さは平均1.9 mであった。細根は林分内で一様に分布し,膨軟な表層土壌30 cmの中で深さ0~10 cmに多かった。

言及状況

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感想 13年生で樹高17m,DBH21mと驚異的なスピードで成長するセンダンだが、意外にも地上部重比や、地下部/地上部、根深などは、他の樹種と大差なく、興味深い。 https://t.co/gfsIhd0HVs

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