著者
横尾 謙一郎
出版者
日本森林学会
雑誌
森林科学 (ISSN:09171908)
巻号頁・発行日
vol.89, pp.34-37, 2020-06-01 (Released:2020-07-02)
参考文献数
9
著者
糟谷 信彦 清野 薫風 横尾 謙一郎 隅田 明洋 宮藤 久士
出版者
一般社団法人 日本森林学会
雑誌
日本森林学会誌 (ISSN:13498509)
巻号頁・発行日
vol.104, no.6, pp.343-349, 2022-12-01 (Released:2022-12-13)
参考文献数
33

センダンは成長が早く,芽かきにより通直な幹がえられることから注目されており,そのため利用可能な木質バイオマスの地上部への配分の把握が重要となるが,センダンの地上部と地下部への重量配分の測定例はまだない。そこで本研究では,13年生センダンの地上部と地下部の各器官重を把握し,乾重配分および根系分布の特徴を明らかにすることを目的とした。2016年11月に熊本県の13年生センダン林にて6個体を調べると,地上部重合計において,幹,枝,葉はそれぞれ81.5,17.4,1.1%で,地下部/地上部比(R/S比)は平均0.25であり,個体サイズが大きいほどR/S比が大きく根の成長が優先していた。センダン根系に注目すると,本調査地の黒ボク土壌では垂下根が発達し一次根の54%(重量ベース)を占め,垂下根の方が水平根より長かった。各個体の根の最大深さは平均1.9 mであった。細根は林分内で一様に分布し,膨軟な表層土壌30 cmの中で深さ0~10 cmに多かった。
著者
横尾 謙一郎
出版者
森林立地学会
雑誌
森林立地 (ISSN:03888673)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.29-35, 2010-06-25 (Released:2017-04-03)
参考文献数
27
被引用文献数
2

センダン人工林において材長4m,年間直径成長量1cm(年輪編5mm)以上の通直材の生産を目標とした施業法を検討するために,3,000,5,000,7,000本ha^<-1>で植栽されたセンダン幼齢林において,植栽後5年間の成長経過と幹材の形状を調査した。樹高成長量は2年生時に2.2〜2.6m yr^<-1>と最大になり,5年生時には1m yr^<-1>であった。5年生時の平均樹高は10.1〜10.6mで植栽密度の影響は認められなかった。枝下高は植栽密度が高いほど高くなったが,5年生時にはすべての植栽密度で目標の4mを超えた。胸高直径成長量は1年生では3.2,2.9,2.5cm yr^<-1>と植栽密度が低いほど大きかった。しかし,5年生時では0.4,0.4,0.3cm yr^<-1>といずれも目標値の1cm yr^<-1>以下となり,植栽密度の影響はみられなくなった。5年生時における幹長4mの幹曲がり(最大矢高)の平均値は12.1,9.8,8.4cmと植栽密度が高いほど小さく,植栽密度を高くすることで幹曲りは小さくなった。以上の結果から,センダン人工林において目標とする用材を確保するためには,植栽密度を高くして通直性を高め,さらに枝下高4mを確保した後に,1cm yr^<-1>の直径成長量を維持するための間伐による本数管理を行うことが重要であるといえる。
著者
廣石 和昭 石原 誠 秋庭 満輝 佐橋 憲生 野口 琢郎 横尾 謙一郎
出版者
日本森林学会
雑誌
日本森林学会大会発表データベース 第124回日本森林学会大会
巻号頁・発行日
pp.682, 2013 (Released:2013-08-20)

はじめにセンダンMelia Azedarach Lin. はケヤキ、キリ等の代替材として家具材、内装材に用いられ、熊本県において単伐期施業による林業所得の向上を目標としてセンダンの育成技術を開発してきた経緯がある。しかし、センダンこぶ病Bacterial Gall of Chinaberry が県内の広い範囲で確認されるようになり、センダン造林に支障を来している。そこで、本病の被害軽減方法を検討するため、県内における発病傾向を調査した。 材料と方法県内道路沿いに自生するセンダンを対象とした罹病分布調査を2007年以降行った。またセンダン芽欠き試験区において植栽3年後のこぶ発生数を調査し、樹高階層別にこぶ発生の空間分布図を作成した。結果センダン自生木がみられる平野部の広い範囲で本病の罹病が確認された。しかし人吉盆地にあっては罹病木は確認されなかった。センダン芽かき試験区におけるこぶ分布調査から、樹高が低い階層では開放方向である東側を中心にこぶ発生数が多い一様な分布を示した。階層が高くになるにつれてこぶ発生数の分布は徐々に南側へと遷移し、かつ集中する傾向が見られた。