著者
木村 友香
出版者
日本薬史学会
雑誌
薬史学雑誌 (ISSN:02852314)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.128-135, 2020 (Released:2021-01-28)

緒言:本研究の目的は,戦前の数少ない理系の女子教育機関であった女子薬学専門学校の設立目的について検討することにある. 方法:本稿では,東京府下の女子薬学専門学校の学則を手がかりに,男子対象の私立薬学専門学校との比較,考察を行った.資料は東京都公文書館所蔵の,東京府下の女子薬学専門学校設置時の申請文書を使用し,同じく同館所蔵の男子を対象とした私立薬学専門学校の設置認可書類および学則変更書類と比較した. 結果:その結果,女子薬学専門学校の教育方針および教育課程において,薬剤師資格の取得と家庭の主婦としての役割が矛盾しない形で編成されていることを具体的に確認した. 考察・結論:戦前の社会においては,性別役割分業観が支配的で,女性の高等教育への進学者はごく少数であった.女性の進学可能な理系の教育機関も限られていた時代,専門職としての女性薬剤師の養成機関の設立目的にも,「良妻賢母」との両立が説明されていた.

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