著者
苅安 誠
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.271-279, 1990-07-25 (Released:2010-06-22)
参考文献数
18
被引用文献数
2

吃音のブロック症状を音声産生の側面からとらえると, 呼気流の一時的な停止状態であり, とくに発声・構音ブロックは, 声門及び声道での閉鎖力が呼気力を上回ることによって起こると推定できる.そこで, 今回の研究の目的は, ブロックと挿入を主症状とする成人吃音者に対して, リズム発話法と運動制御アプローチを併用し, その効果を調べることである.症例は, 29歳の男性吃音者であった.訓練は, 流暢性の獲得とその保持の2段階であった.第1段階ではリズム発話法によって流暢に話すことのできる安全速度を獲得し, 同時に呼吸と発声に対する運動制御アプローチを行なった.第2段階では発声構音に対する運動制御アプローチを行なった.訓練前後及び訓練終了後2ヵ月・1年半経過観察時の音読・自発話の流暢性を比較した結果, ブロック症状だけでなく挿入の頻度も減少しその効果が1年半後も持続していた.

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@SFCbot2 https://t.co/2h9r4OqRVf この論文ちゃんと読みました?? この論文の結論に、呼吸法をコントロールすることで吃音が改善する、とありますか?
難発には、呼吸ブロック、発声ブロック、構音(口唇)ブロック、構音(舌)ブロックの4種類ある事が分かった。 声を出すためには、脳の誤った指令で起きるブロックされている所を意識的に開ける又は吐くなどする必要がある。 https://t.co/4hJE3vLf7P https://t.co/YCNba6Hmxy

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