著者
小嶋 知幸
出版者
The Japan Society of Logopedics and Phoniatrics
雑誌
音声言語医学 (ISSN:00302813)
巻号頁・発行日
vol.45, no.4, pp.293-299, 2004-10-20 (Released:2010-06-22)
参考文献数
10
被引用文献数
1

シンポジウムの主題である発語失行に関して, 本稿では用語・症候・訓練をめぐる諸問題について, 筆者の臨床的知見に基づいて論じた.まず, 本症候を“失行”のなかに位置づける根拠としてDarleyらが挙げている (1) 音の誤りの非一貫性, (2) 随意運動/自動運動の乖離の2点について検証し, 本症候を“失行”の範疇で捕らえることの問題点について述べた.次に, 構音 (発話) 動作の拙劣を本態とする本症候の音の誤りを分類する際に, 音韻レベルの誤りにも用いられている「置換」という同一の用語を用いることの問題点について論じた.最後に, 本症候への訓練に関して, Squareらのトップダウン・マクロ構造アプローチとボトムアップミクロ構造アプローチという分類を参照しつつ, 筆者の考える訓練の基本的コンセプトについて論じた.

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@st_ninensei 紹介した本は高次脳も失語も詳しく書いてあるのでおすすめです。小嶋先生や綿森先生方が書いた論文をよく参考にしています。https://t.co/k1heMp4kDG https://t.co/PvGPTsMISU

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