著者
浅利 正義
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理学会報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.82, no.3, pp.185-191, 2016 (Released:2016-09-08)
参考文献数
23

近年,ナシ黒星病の発生は増加傾向を示しているが,リンゴ黒星病の発生は緩やかに減少している.このため,両病菌の分生子の発芽および菌糸の生存に対する高温の影響を調査した.その結果,分生子の発芽は35°Cおよび40°Cにおいてリンゴ黒星病菌の方がナシ黒星病菌よりも強く阻害され,菌糸の生存は40°Cにおいてリンゴ黒星病菌が全て死滅したのに対してナシ黒星病菌では多くの個体が生存した.以上のことから,リンゴ黒星病菌の方がナシ黒星病菌より高温耐性が低いことが明らかとなり,このことが近年の温暖化に伴うリンゴ黒星病の発生減少の要因の一つとなっていることが示唆された.

言及状況

外部データベース (DOI)

Twitter (2 users, 2 posts, 0 favorites)

1 1 https://t.co/nQ6RODTyP2
リンゴ黒星病菌の方がナシ黒星病菌より高温耐性が低いことが明らかとなり,近年の温暖化に伴うリンゴ黒星病の発生減少の要因の一つとなっていることが示唆された/リンゴ黒星病菌はナシ黒星病菌と比べて高温耐性が低い https://t.co/WX74zxQ0cr

収集済み URL リスト