- 著者
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石川 哲
- 出版者
- 一般社団法人 日本心身医学会
- 雑誌
- 心身医学 (ISSN:03850307)
- 巻号頁・発行日
- vol.38, no.2, pp.95-102, 1998-02-01 (Released:2017-08-01)
- 参考文献数
- 27
- 被引用文献数
-
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不定愁訴と環境中の有害微量化学物質との関係は, 特に慢性中毒で研究されている.その一つに, 最近本邦でも研究が開始されたばかりの化学物質過敏症(multiple chemical sensitivity ; MCS)がある.その定義は, Cullenによれば「過去にかなり大量の化学物質に一度接触し急性中毒症状が発現した後, 次の機会にかなり少量の同種の化学物質に再接触した場合にみられる臨床症状」であるとしている.原因の一つとして, 室内空気汚染と化学物質との関係が現在では研究も一番進歩している.原因物質と考えられるものとして, フォルムアルデヒド, トルエン, 白蟻駆除に使われる有機燐, カルバメート殺虫剤などが考えられている.今回は, 厚生省アレルギー研究班の援助で1997年に作成した診断基準を中心に, 解説を加えてみた.