著者
松林 直
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.63, no.5, pp.409-416, 2023 (Released:2023-09-01)
参考文献数
28

背景:低コルチゾール血症をきたすストレス関連疾患の身体症状(疲労,食欲不振,体重減少,過度の眠気,嘔気や下痢,関節痛や筋肉痛,めまい,微熱など)は低コルチゾール血症をきたす代表的な身体疾患である副腎皮質機能低下症と類似した症状がみられる. 方法と結果:長引く疲労を主訴に心療内科を受診した患者に副腎皮質機能低下症診断アルゴリズムに従い検査した.1/5の症例が中枢性副腎皮質機能低下症と診断し得た.これらの2/3はうつ病を併発し,1/3は何らかの心的外傷体験を有し,既往症に気管支喘息などのため外因性ステロイド使用歴が2/5にみられた. 結論:低コルチゾール血症を伴うストレス関連疾患を診療する際に自己免疫疾患やアレルギー疾患などの身体併存症と過去の外因性ステロイド使用歴に注目し,中枢性副腎皮質機能低下症の鑑別も念頭に置くことが肝要である.

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@arahihsoym_unzk セロトニンの8割は腸で作られて機能していて、中枢のセロトニンは全体の2%くらいらしいです。 PTSDでストレスホルモンのコルチゾールが低いのって不思議ですよね。 色々研究があるみたいです
J-STAGE Articles - 低コルチゾール血症をきたすストレス関連疾患とその鑑別 https://t.co/YSKg5AlYRS

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