著者
坂井 清英
出版者
一般社団法人 日本小児腎臓病学会
雑誌
日本小児腎臓病学会雑誌 (ISSN:09152245)
巻号頁・発行日
vol.31, no.1, pp.1-11, 2018 (Released:2018-04-15)
参考文献数
32

小児先天性腎尿路異常 (CAKUT: congenital anomalies of the kidney and urinary tract) は,小児期から若年層の末期腎不全の原因疾患としておよそ1/3 を占めるというエビデンスが示されていることから,できるだけ早く発見して,治療を要する症例に対しては可及的早期に介入していくことが望まれる。超音波検査 (US: ultrasonography) は,医療施設においては時と場合を選ばずに容易に低侵襲で施行できる検査であり,胎児期からのスクリーニングも可能で,新生児・乳児にも安全に行うことができる。さらには出生後の診断の確定や,CAKUT 治療中の経過観察やアウトカムの評価のためにも主役となる検査方法である。また,2016 年に日本小児泌尿器科学会より小児先天性水腎症 (腎盂尿管移行部通過障害) と膀胱尿管逆流 (VUR: vesicoureteral reflux) の診療手引きが発表された。その内容も含めてUS の役割の観点から解説する。

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#ヒゲジャーナル 先天性腎尿路異常は若年者の腎不全の原因の1/3であり、胎児期や新生児から超音波検査で正確に診断し適切に治療する事で腎実質障害が抑制され腎機能保護に繋がる。 坂井 清英。超音波検査でわかる先天性腎尿路異常(CAKUT)の診断と治療。https://t.co/Om6WRvgUbR

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