著者
福井 (岡田) 容子 福井 秀公 三浦 仁 渡辺 省五 一色 淳
出版者
日本蘇生学会
雑誌
蘇生 (ISSN:02884348)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.24-30, 2001-04-20 (Released:2010-06-08)
参考文献数
20

本研究は, エンドトキシン (LPS) 誘発の脳細胞死に対する静脈麻酔薬の神経保護効果を脳内一酸化窒素代謝産物 (NOx) 動態を基盤として検索した。脳細胞は小脳顆粒細胞を分取し, 神経細胞とグリア細胞が混在した初代培養細胞を用いた。細胞死は蛍光発色法で定量解析を行った。NO産生は特製微小透析プローブで経時的にNOxを採集し, NO2およびNO3をグリース反応後, HPLC-UVシステムで測定し解析した。LPS未処置でNOx産生は認められなかったが, 処置後は明らかな経時的NOx産生が確認された。LPS20μg処置24時間後の細胞生存率は約60%であった。細胞死発現にともなうNOx産生は各種静脈麻酔薬の中でミダゾラムによってもっとも著明に阻害された。これらの結果は, 脳細胞死発現にともなってNO発生が生じ, ミダゾラムの脳保護効果はNO産生抑制と関連することが示唆された。

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アルツハイマーの原因にミクログリア仮説もある。 そのミクログリアがなぜ活性化するのか、結局はジンジバリス等のグラム陰性菌が出すエンドトキシンがトリガーなのかもね。 エ ン ド トキ シ ン(LPS)に よる培養神経細胞 死 に対 す る静脈麻酔 薬 の保護効 果 https://t.co/Hn9JM3g9vz https://t.co/pdqKLnPey3

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