- 著者
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福岡 達之
道免 和久
- 出版者
- 公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
- 雑誌
- The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
- 巻号頁・発行日
- vol.56, no.2, pp.105-109, 2019-02-18 (Released:2019-04-03)
- 参考文献数
- 15
小脳失調は,小脳あるいは小脳との連絡経路が障害される疾患によって生じ,発声発語,嚥下機能にも影響を及ぼす.失調性dysarthriaでは発話に関連する運動制御や協調運動の障害により,不明瞭な構音,断綴性発話,爆発性発話など特徴的な症状を呈する.小脳系の障害による嚥下障害の病態は明らかではないが,嚥下器官に生じる失調症状により咀嚼や食塊形成,送り込みの運動障害をきたすと考えられる.小脳失調を伴うdysarthriaと嚥下障害のリハビリテーション医療は,原因疾患や合併する症状によって異なり,脊髄小脳変性症のような進行性疾患では病期に応じたアプローチが重要である.