著者
橋場 亮弥 藤原 有史 李 栄柱 岸田 哲 形部 憲 大杉 治司
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, pp.2040-2044, 2017 (Released:2018-03-31)
参考文献数
12
被引用文献数
1 1

傍気管嚢胞(paratracheal air cyst)は,第1~第3胸椎レベルの気管右側に好発する,比較的まれな良性の嚢胞性疾患である.われわれは術前CTで傍気管嚢胞を診断した3例の食道癌手術症例を経験した.いずれの症例も嚢胞が右反回神経周囲リンパ節を郭清する過程で同定され,郭清手技に注意を要した.傍気管嚢胞は術前にその存在を認識していなければ,術中にリンパ節と判別することが難しい形状やサイズであり,認識なく術中に遭遇すれば嚢胞損傷の危険性が高いと考えられた.胸部食道癌手術において左右反回神経周囲リンパ節郭清は重要であり,食道癌の術前評価では傍気管嚢胞も念頭に置くことは重要であると考えられた.

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Paratracheal air cyst 病的意義に乏しい。よくある。0.75-3.7% 気管の右背側にある。 病理では気管と交通しているらしい。 縦隔気腫とよく間違われる。 https://t.co/qVeMbZmcTw

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