著者
芳賀 繁
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.954-960, 2012 (Released:2013-02-12)
参考文献数
7
被引用文献数
1

事故が起き,被害が生じた場合,わが国では警察が捜査して責任者を特定し,刑事裁判で裁くということが行われている.本稿では,ヒューマンエラーと刑事罰の現状を紹介し,ミスを結果論で裁くことが安全性向上に寄与しないどころか,マイナスの作用をすることを解説する.東日本大震災などで,マニュアルを超えた臨機応変な対応の重要性が再認識されるに至った.安全文化の一要素に「柔軟な文化」があり,それは近年ヒューマンファクターズの分野で注目される「レジリエンス工学」の概念に通じる.組織や個人の柔軟性,レジリエンスを支えるためにも,ヒューマンエラーを結果論で処罰しない「公正な文化」が必要なことを論じる.

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「ミスを結果論で裁くことが安全性向上に寄与しないどころか,マイナスの作用をすることを解説する」 J-STAGE Articles -芳賀 繁(2012)「 ヒューマンエラーを裁けるか─「裁く文化」は安全文化を阻害する─ 」https://t.co/m1WUxWPJl4
@992_tt_ax @noanowabug @karakuricustom @kaiki_drop ヒューマンエラー防止のために処罰が必要というのはヒューマンエラーへの理解が浅いですね。 今回のようなミスを罰することはむしろ組織を隠蔽体質にするので良くありません。 ↓参考 https://t.co/da1duWBD5C
SSP: ヒューマンエラーを裁けるか─「裁く文化」は安全文化を阻害する─ https://t.co/Lcv6KvTRob

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