著者
青柳 誠司
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.33, no.5, pp.697-702, 2013 (Released:2013-11-09)
参考文献数
7

人間は蚊に刺されて吸血されてもほとんど痛みを感じない.高速度カメラを用いて透明なポリマー製の人工皮膚への蚊の穿刺の様子を詳細に観察し,その結果に基づいて蚊の穿刺メカニズムを推測した.蚊の口器のうち,穿刺に重要な役割を果たしている大顎と,その両側の小顎2本の合計3本の針について,それらと同様の形状・寸法を持つ3本の針をマイクロマシニングの技術を用いて工学的に実現した.これらの針を蚊と同様に互いに位相差を持たせて協調動作させ,人工皮膚への穿刺実験を行った結果,穿刺抵抗力が1/3~1/4に低減されることが確認できた.痛みと穿刺抵抗力には相関があるため,痛みの低減が期待できる.

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蚊の生体模倣による痛みの少ない針の工学的実現 青柳 誠司(関西大学) https://t.co/lPrXHGO4tH

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