著者
樋口 秀行
出版者
日本臨床麻酔学会
雑誌
日本臨床麻酔学会誌 (ISSN:02854945)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.347-351, 2016-05-14 (Released:2016-07-07)
参考文献数
7

デスフルランの物理的特徴として,標準沸点が22.8℃と他の揮発性麻酔薬と比べて,極めて低いという点がある.そのため,保存・供給する容器,気化器も特徴的になっている.デスフルランは化学的に極めて安定している.すなわち,生体内代謝はほとんど受けず,二酸化炭素吸収剤と反応して分解されることはない.しかしながら,乾燥したソーダライム,バラライムと反応して一酸化炭素を生成する.また塩素分子を有さないので,オゾン層破壊作用はないが,地球温暖化効果を有し,対流圏における寿命は他の揮発性麻酔薬より長い.

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