著者
土井 隆義
出版者
日本犯罪社会学会
雑誌
犯罪社会学研究 (ISSN:0386460X)
巻号頁・発行日
vol.41, pp.10-25, 2016 (Released:2017-10-31)

ハイモダニティの時代を迎えている今日の日本社会では,あらゆる局面で再帰的なメカニズムが作動するようになっている.個々人の日常生活においても,社会的な流動性が高まった結果,リスクに対して鋭敏な感覚が育まれるようになっている.しかし,流動化が与える影響は,若年層と高齢層とで大きく異なっている.そのため,そこから生じるリスク感覚も,各年齢層によって大きく異なっている.したがって,その差異は,逸脱行動に対する個々人の心理的な距離感にも反映している.本論は,このような観点から,21世紀以降の我が国において,若年層の一般刑法犯の検挙人員が低下傾向を示しているという事実と,高齢層のそれが高留まりの傾向を示しているという事実の,それぞれの背後に潜んでいる社会的要因の差異について解明を試みる.

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