著者
八木 千裕 松山 洋 山本 裕 髙橋 姿
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.25, no.3, pp.303-309, 2016-02-28 (Released:2016-04-06)
参考文献数
17

症例は,先天性下肢複雑奇形に対し頻回の手術が必要と診断され,麻酔科からの依頼により生後8か月時に気管切開術を施行した男児である。計7回の整形外科手術を終了し,4歳3か月時に気管支鏡にて声門下を確認したところ,カニューレ直上に気管内腔をほぼ閉塞する瘢痕組織を認めた。4歳7か月時に瘢痕除去術を施行したが,術後癒着による気管狭窄を認めたため,5歳4か月時に気管拡大術およびTチューブ留置術を施行した。2か月間Tチューブを留置後抜去し,5歳9か月時に気管孔閉鎖術を施行,その後の経過は良好であった。本症例を通して,気管カニューレ抜去困難症に至った反省点や同疾患への治療における工夫などを報告した。

言及状況

外部データベース (DOI)

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#ヒゲジャーナル 頻回手術に対して気管切開をした男児。抜去可能となったが気管閉塞しかねない瘢痕に対して瘢痕除去や気道拡張、Tチューブ留置を行い最終的に閉鎖した。治療法の熟知が大切である。 小児気管カニューレ抜去困難症の一例https://t.co/yt3lY1LWIF

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