著者
淑 敏 日置 佳之
出版者
日本緑化工学会
雑誌
日本緑化工学会誌 (ISSN:09167439)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.318-329, 2011 (Released:2012-05-31)
参考文献数
25
被引用文献数
1 1

異なる緑化タイプの駐車場の熱環境改善効果を比較するため,日向のアスファルト舗装と,日向の芝生地,樹木緑陰下のアスファルト舗装,樹木緑陰下の芝生地において,同時にその地表面温度,黒球温度,気温(地上0.1 m,0.5 m,1.0 m,1.5 m),車内気温・車体温度を測定した。その結果,夏季の昼間(9 時~19 時)に日向のアスファルトと比較した地表面温度の低減効果が最も大きかったのは樹木緑陰下の芝生地で平均約17.9℃ であり,黒球温度の低減効果もまた最も大きく平均約8.8℃ であった。気温(地上0.5 m,1.0 m,1.5 m)の低減効果はいずれの緑化タイプでも認められなかった。車内気温の低減効果は,樹木緑陰下の芝生地と樹木緑陰下のアスファルトにおいて同程度で平均約11.3℃ であった。また,MRT(平均放射温度)の低減効果が最も大きかったのは樹木緑陰下の芝生地で平均約27.4℃ であった。一方,夜間(20 時~翌朝4 時)に地表面温度の低減効果が最も大きかったのは日向の芝生地で,平均約4.0℃ であった。黒球温度とMRT の低減効果が最も大きかったのは日向の芝生地で,それぞれ平均約1.5℃と約2.0℃ であった。夜間,気温の低減効果はいずれの緑化タイプでも認められ,効果が最も大きかったのは樹木緑陰下の芝生地で,地上1.5 m で平均約1.8℃ であった。昼間に樹木緑陰で体感される涼しさは気温差によるものではなく,放射環境による差異であった。一方,夜間には緑化によって気温の低下が引き起こされており,ヒートアイランド現象の緩和が期待できた。駐車場の熱環境改善のためには,樹木による緑陰形成と芝生化の組み合わせが最も望ましいと言える。

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誤解されがちだけれど、どんな地面でも気温は変わらない。輻射熱も含めた黒球温度が変わる。日向より日陰が涼しいのは輻射熱のせい。気温は変わらない。この輻射熱が熱いという感覚が広まると、もっと対策が進みやすいんだけれどなぁ。みんな一生懸命に気温を下げたがる。 https://t.co/oeXub5NeFJ https://t.co/PoDUKddpbc
また、下記論文の抄録には「駐車場の熱環境改善のためには,樹木による緑陰形成と芝生化の組み合わせが最も望ましい」とあります。公園も同じです — 淑 敏・日置佳之 (2011) 「緑化タイプの違いによる駐車場の熱環境改善の効果の比較」『日本緑化工学会誌』37 (2) 、318-329頁 https://t.co/t2TL54tbFD

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