著者
山口 泰雄 土肥 隆 高見 彰
出版者
日本スポーツ社会学会
雑誌
スポーツ社会学研究 (ISSN:09192751)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.34-50, 1996-03-19 (Released:2011-05-30)
参考文献数
29
被引用文献数
3 4

本研究の目的は、生活の満足度とスポーツ・余暇行動との関係を分析した“Brown & Frankel のモデル”を追試し, わが国における独自の規定要因を加えた修正モデルを検証することにある。加古川市に在住する458名の中年者と212名の高齢者に対して, 質問紙調査を実施し世代間の差異を検討した。パス解析によるデータ分析の結果, Brown & Frankel モデルはわが国でも妥当であり, 適用可能であることが示された。修正モデルの分析により, 世代差と性差が明らかになった。中年女性と高齢男性において, スポーツ実施と生活の満足度との強い関係が示された。また, 生活満足に対して, デモグラフィック要因や経済的指標よりも, 余暇の満足度が最も強い影響力をもっていた。将来的に, アクティブな生活スタイルはクオリティ・オブ・ライフの重要な要因になるかも知れないことが指摘された。また, スポーツ実施と生活満足における性差の理解に関する縦断的研究が求められる。

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