著者
伊藤 隆史
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.32, no.6, pp.659-664, 2021 (Released:2021-12-25)
参考文献数
44

感染や組織損傷の兆候を察知すると,好中球は活性化する.活性化した好中球は,微生物やデブリスを貪食したり,好中球細胞外トラップ(neutrophil extracellular traps: NETs)と呼ばれる網状構造物を細胞外に放出したりして,感染防御に寄与している.その一方で,同様のメカニズムが,組織損傷を悪化させてしまう要因にもなっていて,NETs放出は適切にコントロールされる必要があると考えられる.本稿では,感染症病態におけるNETs放出の光と陰について概説し,そのなかでも特に,血栓症との関連について考察していく.

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13460 なぜアクテムラが重症COVID-19患者に投与されるかなんて、2020年秋に終わった話題なんですが… どうやら、ウイルスを好中球がやっつける世界にお住まいのようで 敗血症/COVID-19におけるNETsと血栓症 https://t.co/snc8RCJG6C 好中球の自爆死が新型コロナ重症化に関与 https://t.co/ABRGcB2NQo
COVID-19における好中球細胞外トラップ(NETs)と血栓症 https://t.co/QnBaprjlke NETs表面には組織因子(TF)やvon Willebrand因子などが結合しNETs表面での凝固活性化や血小板血栓形成の足場を提供している また抗リン脂質抗体が細胞表面に結合し血栓形成の方向に向かう可能性も示唆されている https://t.co/uwB7bYFAIz https://t.co/PnC8ZDmMFT

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