著者
小川内 良人 山崎 勉 山崎 孝成 菊池 章 小原 喜幸 保坂 金雄
出版者
The Japan Landslide Society
雑誌
地すべり (ISSN:02852926)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.38-45_1, 1998-09-15 (Released:2010-06-28)
参考文献数
6
被引用文献数
3 3

1997年5月, 八幡平熱水変質地帯に発生した澄川地すべりは, 地すべり発生と同時に水蒸気爆発と土石流が発生した特異な地すべりである。すべり面は, モンモリロナイトを多量に含む変質した第四系の澄川凝灰岩上面に形成されている。ボーリングの孔内温度は, すべり面に近づくにしたがって上昇し, すべり面以深では100度に達する。地すべり地内の地下水は弱アルカリ性を示し, 埋没した澄川温泉の酸性泉とは際だった違いを見せている。澄川凝灰岩を覆う焼山火山噴出物には, キレツの発達した安山岩溶岩が分布し, 地下水の通路となっている。地すべり発生の素因は, 変質して粘土化した澄川凝灰岩の存在と, 基盤が円弧スベリを発生しやすい凹面型を呈していたことである。

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澄川地すべりの資料その2です。澄川地すべりの発生機構について-澄川地すべり調査結果と対策工の概要-/小川内良人・山崎勉・山崎孝成・菊池章・小原喜幸・保坂金雄(地すべり 第35巻 第2号 特集 秋田県澄川地すべり,1998) https://t.co/Tyr3lhTXwU ※巻末に他の資料の概要あり

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