著者
向井 千夏 奥野 誠
出版者
JAPANESE SOCIETY OF OVA RESEARCH
雑誌
Journal of Mammalian Ova Research (ISSN:13417738)
巻号頁・発行日
vol.27, no.4, pp.176-182, 2010 (Released:2010-12-03)
参考文献数
32
被引用文献数
1

体内受精を行う哺乳類では,精子鞭毛は射精にともない運動を活性化し,雌生殖器官内での受精能獲得時には超活性化と呼ばれる運動を示す.精子は卵に出会うまで,鞭毛運動を維持するためにATPが必須であるとともに,活性化や超活性化の運動変化を引き起こす細胞内シグナル伝達においても,cAMPの生成やタンパク質リン酸化にATPが必要となる.ATPの供給経路としては解糖系と呼吸系の2つがあげられるが,従来,精子の形態やその生産効率からミトコンドリアによる呼吸系が主であると考えられてきた.しかし,近年の研究成果により,鞭毛主部における解糖系によるATP供給が主要な働きをしていることが明らかとなってきた.本稿では,マウスでの知見を中心に,精子の鞭毛運動とシグナル伝達に関わるATP供給について解説する.

言及状況

外部データベース (DOI)

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マウスではグルコース、フルクトースが呼吸の基質として用いられ、主要な代謝経路は解糖系とのことです。 https://www.jstage.jst.go.jp/article/jmor/27/4/27_4_176/_pdf

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大学院時代にそのあたりの研究をしていたけど奥が深く「無限の可能性」は実際あると思います。そしてミトコンドリアエンジンという発想はおもしろいのですが実は哺乳類精子では呼吸系ではなく解糖系が主なエネルギー供給源であるという話があります https://t.co/vmpHt91P33 https://t.co/uL0a6KJ6ij
@otama_jacksy エネルギーの代謝はしているわけでですし、栄養があれば長持ちしそうです。ある程度は飼えそう? https://t.co/rSIy5pktbR

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