著者
白岩 健
出版者
国立保健医療科学院
雑誌
保健医療科学 (ISSN:13476459)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1, pp.29-33, 2017 (Released:2017-06-27)
参考文献数
5
被引用文献数
1

多くの先進諸国では医療技術の発展等にともなう医療費増加が社会的課題となっている.そのような状況の中で,限られた医療資源をより効率的に配分するため,費用効果分析が意思決定にも活用されるようになってきた.多くの国ではこのような医療経済性も含んだ医療技術評価(HTA)を専門的に実施する研究機関が存在する.特に費用効果分析を医薬品や医療機器に関する意思決定に活用している国々では,このようなHTA機関が意思決定に関与しており,日本でも体制の整備が必要である.医療経済評価で使用するデータは主に(i) 臨床的な有効性・安全性,長期的な予後・病態の推移,(ii)QOL値,(iii) 費用の3 種類がある.QOL値や費用データについては,医療経済評価を実施する目的のために必要なものであり,また,QOL値や費用データは可能ならば国内データを用いることが望ましく,特に費用は海外データの外挿が困難である.よって,医療経済評価を意思決定に活用できるよう実装するためには,これらのデータを利用できるような研究の蓄積やデータベースの構築などが重要である.

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