- 著者
-
八巻 知香子
高山 智子
- 出版者
- 科学技術社会論学会
- 雑誌
- 科学技術社会論研究 (ISSN:13475843)
- 巻号頁・発行日
- vol.18, pp.128-136, 2020-04-30 (Released:2021-04-30)
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
-
1
国立がん研究センターがん対策情報センターは「がん対策推進アクションプラン2005」を受けて設立された組織である.2008 年より「患者・市民パネル」を運営し,患者・市民の視点を取り入れた情報提供活動に努めてきた.2018 年度に初めて,日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)との共催により,臨床研究への患者・市民参画のあり方について検討する場を持った.情報発信機関への患者・市民参画については,患者・市民パネルの活動として一定の形を形成してきた.一方で,研究の立案から評価に至る全プロセスへの患者・市民の参画のあり方については検討の途上にあり,今後の医療や研究で求められる役割を考慮しながら,基本理念である「正しい情報に基づいて,国民のためのがん対策推進を支援する」ことを堅持しながら,がん対策情報センターとしての運営方針を確立していく必要があると考えられる.