著者
藍 浩之
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.73-84, 2011-06-05 (Released:2011-07-22)
参考文献数
38

昆虫は自らの運動で生じた空気振動をうまく利用し行動を制御し,またときには積極的に空気振動を作り出すことによって仲間との通信を行う.外界の空気粒子の振動は,振動源の近接場でのみ生じるため,その振動を受容する感覚器はその振動源の近接場でのみ機能する.本稿では,著者が研究をしてきた2つの事例を元に,昆虫がいかに巧みに振動を受容し,行動に結びつけているかをご紹介する.一つ目はカイコガの翅辺縁部に存在する剛毛感覚子の分布,形態と振動応答特性について,二つ目はミツバチの尻振りダンスで生じる振動をとらえるジョンストン器官の機能と脳内情報処理についての研究である.

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@dantyutei 最後に、微小サイズに限らない、一般的な昆虫の翅の毛(の一部)については、力学的/化学的センサ機能が知られつつあります(e.g., https://t.co/B1kljzwHV8 ←福岡大・藍先生による和文解説記事; https://t.co/dVqLRqR5Ji ←我々のトンボ翅上センサについての論文)
ググってたら、 https://t.co/B1kljzwa5A 『昆虫の振動をどのように行動に利用しているのか?』藍 浩之 を見つけた。同じ著者による英語論文は共同研究者が見つけていたが、正直、日本語解説ありがたい…

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