著者
野村 泰伸
出版者
日本神経回路学会
雑誌
日本神経回路学会誌 (ISSN:1340766X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.85-98, 2011-06-05 (Released:2011-07-22)
参考文献数
28
被引用文献数
2

静止立位姿勢の神経制御メカニズムの本質的特徴は,姿勢の柔軟性と安定性が同時にかつロバストに実現されている点にあると考えられる.従来の生体運動制御理論の立場では,姿勢あるいは運動の柔軟性と安定性は互いに相反する性質であり,高い安定性を求めると姿勢や運動の柔軟性は低下する.近年,我々は,柔軟性を保ちながらも立位姿勢をロバストに安定化することができる神経制御メカニズムとして,静止立位姿勢の間欠制御モデル(intermittent control hypothesis)を提唱している.本稿では,これまで定説であった立位姿勢のスティッフネス制御と新しい仮説である間欠制御に関して考察する.

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@missile_39 (承前)といっても、人間の立位姿勢や歩行運動の制御メカニズム自体がまだ議論の余地が大きく残るところなのです。しかし、僕は阪大基礎工の野村さんらの研究グループの間欠制御仮説(https://t.co/SdZLtPnXZ9)が尤もらしいと思っています。(続く)
この前の姿勢と歩行研究会でトークされていた野村先生の解説記事。立位制御モデルだとPeterkaのPIDモデルが有名ですが、野村先生の間欠制御仮説はとても魅力的。ataxiaの立位バランスはこの仮説でどのように説明されるのだろう?https://t.co/bEnCEKyaGB

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