- 著者
-
中川 裕志
- 出版者
- 国立研究開発法人 科学技術振興機構
- 雑誌
- 情報管理 (ISSN:00217298)
- 巻号頁・発行日
- vol.60, no.10, pp.710-718, 2018-01-01 (Released:2018-01-01)
- 参考文献数
- 9
日本では改正個人情報保護法が2015年に成立し2017年5月に施行された。データ主体の同意なしに流通できる匿名加工情報が導入されたが,どのような匿名化処理を施すべきか検討が続いている。EUでは全体の統一的なパーソナルデータ保護規則「一般データ保護規則」が成立し,2018年からの施行に向け,これに適合するプライバシー保護の方策が模索されている。本稿では,プライバシー保護技術を保護対象となる個人が,(1)質問者である場合に (a)質問者が誰であるか,および (b)質問内容自体,を検索エンジン側から秘匿する方法,(2)データベースに個人データが格納されているデータ主体の個人に関して識別を防ぐ場合に分けて,代表的なプライバシー保護技術を概観する。