著者
南 庄一郎
出版者
一般社団法人 日本作業療法士協会
雑誌
作業療法 (ISSN:02894920)
巻号頁・発行日
vol.40, no.6, pp.835-842, 2021-12-15 (Released:2021-12-15)
参考文献数
10

医療観察法病棟において,殺人未遂事件を起こした統合失調症とADHDの対象者に関わる機会を得た.対象者は統合失調症の病識が乏しく,事件の内省が困難であり,医療観察法病棟の入院治療に対する意欲が持てず,介入は難航した.しかし,筆者と革細工や病棟行事の実行委員を担った体験を通して成功体験を重ね,その後の治療には自発的に参加するようになった.ここから,作業療法は医療観察法病棟での入院治療に意欲の乏しい対象者に対して,MDTによる社会復帰に向けた治療の導入部分を担い,作業を介して対象者と関係性を結び,自己効力感を高めることができ,主体的な治療への参加を可能にすると考えられた.

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