著者
福留 邦洋
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.913-918, 2012-10-25 (Released:2012-10-25)
参考文献数
12
被引用文献数
6 2

災害により集落移転する際、どのような要因で円滑に移転できるのか新潟県中越地震において唯一の全戸移転の防災集団移転促進事業を行った小千谷市十二平集落を対象として,集団移転するまでの過程から明らかにすることを目的とした。調査の結果、集落リーダーは地震発生直後に強い意志を持つとともに集落関係者へ配慮し,集落住民から信頼されていたこと.住民間には血縁,親族関係の繋がりが多く,相互の協力体制が日常で機能していたこと.行政よりも先行して集落側で集団移転に関する議論,検討が行われたこと.過去に近隣集落で実施された防災集団移転促進事業の内容を知っている世帯が存在したこと.高齢化とともにいずれ離村せざるを得ないと考えていた世帯が複数存在したこと.被災した住宅に関して全世帯で債務がなかったこと.義援金に加えて,自助として全世帯が加入していた住宅損害保険(建物更正共済)からの補償が行われるなどにより,新たに預貯金の取り崩しや債務の発生を行わずに一定規模の住宅を再建することができたこと.などがわかった。

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