- 著者
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河田 恵昭
柄谷 友香
- 出版者
- Japan Society of Civil Engineers
- 雑誌
- 土木計画学研究・論文集 (ISSN:09134034)
- 巻号頁・発行日
- vol.17, pp.393-400, 2000-09-30 (Released:2010-06-04)
- 参考文献数
- 11
- 被引用文献数
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自然災害や疾病をはじめとするリスクの定量的な評価をできる限り客観的・科学的な方法によって行う場合、人命の社会的価値に関する議論を避けることはできない。そこで本論文では、平均寿命とGRP (地域内総生産) との間の強い相関関係に着目し、自然災害、交通事故、疾病などに起因する大規模な人命の損失がもたらす社会的価値の損失を、それらの要因による平均寿命の低下量から評価する手法を構築した。その手法を用いて1995年の阪神・淡路大震災がもたらした社会的価値の損失を推定した。その結果、阪神・淡路大震災がもたらした初年度における社会的価値の損失は、兵庫県で約1.62兆円、全国で約1.75兆円と推定された。