著者
鄒 兆南 沖 真弥
出版者
特定非営利活動法人 日本バイオインフォマティクス学会
雑誌
JSBi Bioinformatics Review (ISSN:24357022)
巻号頁・発行日
vol.4, no.1, pp.1-9, 2023 (Released:2023-06-03)
参考文献数
13

真核生物の遺伝子発現は、ゲノムに対する転写因子やヒストンの結合パターンによって時空間的に精密に制御されている。この発現制御機構を理解するため、筆者らはゲノム上のタンパク結合を調べるChIP-seqデータを網羅的に解析し、転写因子の結合とヒストン修飾をゲノムワイドに閲覧できるChIP-Atlas(https://chip-atlas.org)を開発している。最近では、ATAC-seqとBisulfite-seqデータを新たに統合し、転写調節領域のエピゲノム状態をより多面的に捉えられるようになった。本稿では、ChIP-Atlasを概観した後、創薬医学、再生医学、遺伝性疾患などの研究分野における実際の応用例を中心に紹介する。このように、ChIP-Atlasのナビゲーションに従い遺伝子転写制御ランドスケープを「旅する」というイメージを膨らませることで、より多くの読者の方がChIP-Atlasを活用した研究成果を生み出し、遺伝子の発現制御機構の解明や生命科学の発展に貢献できればと思う。

言及状況

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2⃣ https://t.co/EW7yxwnmKV JSBi Bioinformatics Reviewに「ChIP-Atlas〜転写制御ランドスケープの歩き方〜」掲載。創薬等の活用事例が紹介されています。 https://t.co/ZLe3I61teo なお、Chip-Atlasは、本年10月、Hi-Cデータ等の追加・Diff Analysis機能追加等パワーアップしています! #ChIPAtlas
ChIP-Atlas~ 転写制御ランドスケープの歩き方~ https://t.co/U1qEzDiZGG #maskotlib
Primers1編目は、京大・鄒さんらによる「ChIP-Atlas 〜転写制御ランドスケープの歩き方〜」です。単にChIP-seqなどのデータを収集したデータベースにとどまらない、ChIP-Atlasの秘めた力の片鱗をご覧ください。これを読めば、皆さんの解析の幅が広がること間違いなしです!https://t.co/reSQJ2HDpI

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