著者
倉恒 弘彦
出版者
日本生物学的精神医学会
雑誌
日本生物学的精神医学会誌 (ISSN:21866619)
巻号頁・発行日
vol.24, no.4, pp.222-227, 2013 (Released:2017-02-16)
参考文献数
17

最近,慢性疲労症候群(CFS)と機能性身体症候群(FSS)との関連について取り上げられる機会が増えてきた。CFS は 1988年に米国疾病対策センター(CDC)が発表した病名であり,長期にわたって原因不明の激しい疲労とともに体中の痛みや思考力低下,抑うつ,睡眠障害などがみられるために日常生活や社会生活に支障をきたす病態の病因を明らかにするために作成された疾病概念である。一方,FSSは明らかな器質的原因によって説明できない身体的訴えがあり,それを苦痛として感じて日常生活に支障をきたす病態を1つの症候群としてとらえたものであり,CFSの概念が発表される以前より報告されてきた。1999 年,Wessely らは FSSに含まれるCFSや過敏性腸症候群などを調べてみると,これらには診断基準や症状,患者の特徴,治療に対する反応性などの点において共通性が多く,それぞれの病名にこだわるより,全体を1つの概念でとらえて分類するほうが建設的であると提唱している。そこで,本稿ではCFS と FSSとの関連を説明するとともに,最近明らかになってきた CFSの脳・神経系異常や病態生理について紹介する。

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倉恒 弘彦先生 ←続き #機能性身体症候群( #FSS)と #CFS Wesselyらの提唱 FSS に含まれる疾病に 対する治療は精神科に移すのではなく,病状の全体像を把握することのできる総合診療医が精神科医, 臨床心理士と連携しながら診療を行うことが望ましいとも述べている。 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI https://t.co/bDLVQk2MsC
倉恒 弘彦先生 ←続き #機能性身体症候群( #FSS)と #CFS Wesselyら 患者の特徴,治療に対する反応性等の点も多くの共通性が見出されそれぞれの病名にこだわった特異な診断・治療を行うことはあまり意義がなくFSSという1 つの概念でとらえた対応が望ましいと提唱 ⇨続く 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI https://t.co/qMPXDr05Jh
倉恒 弘彦先生 ←続き #機能性身体症候群( #FSS)と #CFS Wesselyらの提唱 またFSS に含まれる疾病の 1 つの診断基準を満たすものは別の疾患の診断基準を満たすことが多く,抑うつや不安などの精神症状がみられること,医師との人間関係の構築が難しいこと ⇨続く 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI https://t.co/ndIdijp6Lp
←続き 倉恒 弘彦先生 #機能性身体症候群( #FSS)と #CFS Wesselyらの提唱 これらの診断基準に含まれる症状や兆候 を調べたところ,各疾患の診断基準は類似しており共通する症状が多いことが明らかになった。 ⇨続く 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI https://t.co/SodjRfEYYA
倉恒 弘彦先生 ←続き 1999年 Wesselyら #機能性身体症候群 #FSS の範囲 #同一病態 整形外科領域 #線維筋痛症 #腰背部痛 呼吸器循環器領域 #胸筋痛症候群 #過喚起症候群 感染症領域 #慢性疲労症候群 神経内科領域 #緊張性頭痛 泌尿器科領域 #間質性膀胱炎 ⇨続く 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI https://t.co/UykoZSctZO
倉恒 弘彦先生 ←続き 1999年 Wesselyら #機能性身体症候群 #FSS の範囲 同一の病態を単に診断する医師の専門性の違いにより呼び名を変えているにすぎないのではないかと考えた 消化器領域 #過敏性腸症候群 #機能性胃腸症 婦人科領域 #月経前症候群 #会陰痛 ⇨続く 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI https://t.co/NUxSpksqh9
倉恒 弘彦先生 #慢性疲労症候群 #CFS と #機能性身体症候群 #FSS WesselyらはFSSに含まれる疾病はそれぞれの領域の立場から名づけられた病名であるが,実際には同一の病態を単に診断する医師の 専門性の違いにより呼び名を変えているにすぎないのではないかと考えた 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI https://t.co/s4LH1WGr5W
倉恒 弘彦先生 #慢性疲労症候群 #CFS と #機能性身体症候群 #FSS FSSは明らかな器質的原因によって説明できない身体的訴えがあり,それを苦痛と感じて日常生活に支障をきたす病態を 1 つの症候群としてとらえたも のであり各領域の疾病が含まれている 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI https://t.co/aWebI4Kzuu
倉恒 弘彦先生 #局所脳血流量検査 #CFS 原因不明の激しい疲労倦怠感、立ちくらみ, 発汗異常,便秘,下痢,動悸,体の冷え等の自律神経失調症状がしばしば認められるが, #前帯状回 は自律神経系の機能に深く関わっている 症状は同部位の機能異常に基づく症状の可能性が高い 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI https://t.co/WnvobVydyi
倉恒 弘彦先生 #局所脳血流量検査 8名の #CFS 患者と 8 名の健常人に対し #局所脳血流量 の変化について検討、結果,患者群では前帯状回,眼窩前頭野, 背外側前頭野などの前頭葉のほか,側頭葉,後頭葉, 基底核,脳幹部において脳・神経細胞の活動性が有意な低下が判明 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI https://t.co/qJwBZ4Oy4T
倉恒 弘彦先生 #H215O を用いた #局所脳血流量 の解析 PETとH215O を用いた #局所脳血流量検査 は,SPECT解析ではできなかった #絶対的な局所脳血流量 を調べることが可能 感度や解像度にも #PET検査 は #SPECT検査 と比較し明らかに優れている 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI #慢性疲労症候群 #ME https://t.co/ea06Ji2vl5
#慢性疲労症候群( #CFS)と #機能性身体症候群( #FSS) 倉恒 弘彦先生 https://t.co/oBNVIA4glI
@theemichell CFS 患者 原因不明の激しい疲労倦怠感とともに立ちくらみ, 発汗異常,便秘,下痢,動悸,体の冷え等の自律 神経失調症状がしばしば認められるが前帯状回は自律神経系の機能に深く関わっていることがよく知られており症状は同部位の機能異常に基づく症状である可能性が高い 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI
@theemichell PETを用いて8名のCFS 患者と 8 名の健常 人に対して局所脳血流量の変化について検討した。 その結果,CFS 患者群では前帯状回,眼窩前頭野, 背外側前頭野などの前頭葉のほか,側頭葉,後頭葉, 基底核,脳幹部において脳・神経細胞の活動性が有意に低下していることが判明 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI
@theemichell 血流低下は関係があるみたいです 2 H215O を用いた局所脳血流量の解析 PET と H215O を用いた 局所脳血流量検査 はSPECT解析ではできなかった絶対的な局所脳血流 量を調べることが可能であり,また感度や解像度にもPET 検査は SPECT 検査と比較して明らかに優れている 引用元 https://t.co/oBNVIA4glI
『WesselyらはFSSに含まれる疾病はそれぞれの領域の立場から名づけられた病名であるが,実際には同一の病態を,単に診断する医師の専門性の違いにより呼び名を変えているにすぎないのではないかと考えた』というのは見つけた。> https://t.co/C3bDr1KCfr

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