著者
渡辺 幸三 大村 達夫
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G (ISSN:18806082)
巻号頁・発行日
vol.62, no.1, pp.94-104, 2006 (Released:2006-02-21)
参考文献数
41

ダム湖は河川水生昆虫の幼虫と成虫の移動を阻害し,ダム上下流間の遺伝的分化やそれに伴う遺伝的多様性の低下を引き起こす恐れがある.本研究は湛水面積が異なる複数のダム湖周辺でヒゲナガカワトビケラ,ウルマーシマトビケラ,クロマダラカゲロウの3種の水生昆虫地域集団のRAPD解析を行った.解析の結果,ヒゲナガカワトビケラの遺伝的分化は6つのダム湖のうち湛水面積が 3.27 km2 以上の2つの大きなダム湖で遺伝的に分化していたが,ウルマーシマトビケラは湛水面積が小さい場合でも分化することがあった.また,ウルマーシマトビケラの遺伝的多様性の低下要因として,集団サイズの低下とダムによる生息地分断化の2因子が働くが,残り2種は集団サイズの低下のみが主に働いていることが明らかになった.

言及状況

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@rannno_ たしかに、生息地の分断・孤立化は、マクロでで見ると種分化を促して生物の多様性を高める一方で、短期的には集団サイズを小さくして絶滅確率を引き上げるとともに、Wahlund効果や遺伝子流動の減少により遺伝的多様性を低下させることは指摘されてるのでは https://t.co/kvReZcTM5F

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編集者: 蒋龍
2012-03-16 01:53:26 の編集で削除されたか、リンク先が変更された可能性があります。

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