- 著者
-
小林 美奈子
楠 正人
- 出版者
- 一般社団法人 日本環境感染学会
- 雑誌
- 日本環境感染学会誌 (ISSN:1882532X)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.2, pp.87-91, 2016 (Released:2016-07-29)
- 参考文献数
- 13
- 被引用文献数
-
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術後感染予防抗菌薬の目的は手術部位感染(SSI)の予防であり,遠隔部位感染を含むSSI以外の術後感染性合併症は対象としていない.手術を行う部位に常在する細菌をターゲットとし,広域スペクトラムを有する抗菌薬を使用しない事が原則である.術後感染予防に用いられる抗菌薬は,清潔創手術に対してはcefazolin(CEZ)あるいはsulbactam/ampicillin(SBT/ABPC)が推奨される.準清潔手術では,cefotiam(CTM),第2世代のセファマイシン系薬であるcefmetazole(CMZ),オキサ型のflomoxef(FMOX),あるいはCEZとmetronidazole(MNZ)の併用が推奨される.投与開始のタイミングは手術開始前1時間以内が推奨される.投与量・再投与は体重や腎機能によって調節が必要である.投与期間は術後24時間以内投与が基本である.