著者
小高 直樹
出版者
日本図学会
雑誌
図学研究 (ISSN:03875512)
巻号頁・発行日
vol.31, no.Supplement, pp.1a-6, 1997 (Released:2010-08-25)
参考文献数
5

本稿ではまず最初に, F1 (t) , F2 (t) をtの周期関数とするとき, tを媒介変数としたx=F1 (t) , y=F2 (t) が描く図形を汎ロコイドと定義する。基円に沿って円が転がるとき, 転円に固定された点の軌跡は, 転円が滑る場合も含めてすべてこの汎トロコイドに含まれる。また, 基円の半径が無限大になれば, x=F1 (t) またはy=F2 (t) はtの一次式を含む形式に導かれ, 図形は直線上を転がりながら直進する。ここで, われわれは, 直進する汎トロコイドを直進形汎トロコイドと呼び, これを幾何学模様生成のための基本形とする。この直進形汎トロコイドには, 微視的な汎トロコイドが大局的に直進する場合も含まれる。次に, この直進形汎トロコイドを回転変換する。この段階においては, 回転変換を複数回繰り返したり, あるいは途中のプロセスにおいて射影変換や球面写像を組み込むことにより, ユニークな幾何学造形が可能になる。本稿では, この直進形汎トロコイドを利用した幾何学模様生成のアルゴリズム, すなわち, 直進形汎トロコイドの設定とその変換方法 (回転変換, 螺旋変換, アフィン変換, 射影変換, 複合的変換など) のアルゴリズムを, それらの変換によって生成される具体的な幾何学模様とその特徴を通じて論じながら, 平面デザインや装飾, またアートとしての, ユニークでかつ調和性のある幾何学模様を迅速に作り出す基本的な方法論を提供する。

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