著者
須永 将史
出版者
日本保健医療社会学会
雑誌
保健医療社会学論集 (ISSN:13430203)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.57-66, 2021-01-31 (Released:2022-01-31)
参考文献数
10

本稿では家庭医療専門医の診察場面において「ちょっと先生さきに相談あるんだけど」と切り出された相談がどのように扱われるのかを分析する。家庭医の診察場面のなかで、患者は、自身の診察に先立って家族とのトラブルを相談し始めることがある。この相談の切り出し方は診察場面全体のなかでどのような意味を持つのか。そこでなされる「相談」はどのように医師によって聞き取られ、どのように助言を与えていくのか。本論文ではこれを、直接患者の症状とは関わらなくとも医師に相談するのに適した内容を語るため、患者が誤配置であることを際立たせながら切り出すプラクティスとしてとらえる。また、そうすることで、医師がその相談を聞く時間を確保し、診察内での助言に結び付けられるプロセスを記述する。

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須永将史,2021「診察の開始位置での問題呈示はどう扱われるか──「ちょっと先生さきに相談あるんだけど」の受け止め」『保健医療社会学論集』31(2) https://t.co/P4CKrcOzzJ

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