著者
金澤 綾子 内田 貴之 相原 啓二 蒲地 正幸
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.19-23, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)
参考文献数
10

症例は77歳,女性。腰椎固定術後,入院中にショックとなりICUに入室した。入室時は心拍数50 /minの高度徐脈,血圧測定不能の状態であった。採血上,イオン化マグネシウム(iMg2+)2.34 mmol/Lの高マグネシウム(Mg)血症を認め,これがショックの原因と考えられたことから,緊急血液透析を導入した。血中Mg濃度の低下とともに徐脈は改善し,ICU入室3日目にはショックを離脱した。本症例においてはICU入室25日前より麻痺性イレウスの診断で酸化Mg製剤の内服が開始された経緯があったが,血中Mg濃度は徐々に上昇したのではなく,ICU入室当日に急激に上昇していた。この急激な濃度上昇は,イレウスに伴って腸管粘膜からのMg吸収が亢進したためと推測された。酸化Mg製剤の投与に際しては,腸管からの吸収促進の病態がある場合には慎重に行う必要がある。

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@icu_masui_4 @ST984TBX 僕、せんこう高Mgで困った事はないですが、なるほどと思いました。 https://t.co/5Lofbqcpjh
この記載はビミョーなんだけど、イレウス起こすとものすっごく急激に高Mg血症になることがあるので、イレウスになりそうな患者さんではむしろ酸化マグネシウムの使用は控えめにしている今日この頃…。 https://t.co/jZjA4UfzuY https://t.co/7NBg0qefzV

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