著者
金澤 綾子 内田 貴之 相原 啓二 蒲地 正幸
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.19-23, 2020-01-01 (Released:2020-01-01)
参考文献数
10

症例は77歳,女性。腰椎固定術後,入院中にショックとなりICUに入室した。入室時は心拍数50 /minの高度徐脈,血圧測定不能の状態であった。採血上,イオン化マグネシウム(iMg2+)2.34 mmol/Lの高マグネシウム(Mg)血症を認め,これがショックの原因と考えられたことから,緊急血液透析を導入した。血中Mg濃度の低下とともに徐脈は改善し,ICU入室3日目にはショックを離脱した。本症例においてはICU入室25日前より麻痺性イレウスの診断で酸化Mg製剤の内服が開始された経緯があったが,血中Mg濃度は徐々に上昇したのではなく,ICU入室当日に急激に上昇していた。この急激な濃度上昇は,イレウスに伴って腸管粘膜からのMg吸収が亢進したためと推測された。酸化Mg製剤の投与に際しては,腸管からの吸収促進の病態がある場合には慎重に行う必要がある。
著者
佐久間 幹雄 金澤 綾子 丹羽 麻由美 富山 明俊 柏木 秀樹
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第16回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.79-84, 2019 (Released:2019-06-14)

これまでの特許情報解析では、出願件数や登録件数を指標として解析が行われてきた。例えば、競合企業の注力技術を解析したい場合、軸となる技術分野を細分化する工夫は様々な視点で行われてきたが、プロットされるのはあくまで「件数」であった。そこで、この研究では、発明者のグループを詳細に解析することにより、特定の技術開発に携わる「人数」を割り出し、特許件数だけでなく、開発者数も含めた総合的な視点で注力技術が探れないか、試行してみた。特に今回は、過去の前例が少ない中国企業における中国特実出願を母集団とした発明者グループ解析を試みたので、その結果とともに、解析における注意点や新たな発見も併せて報告する。
著者
竹中 賢治 小林 淳 金澤 綾子 足立 佐知 小田 奨 佐々木 眞悟
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報プロフェッショナルシンポジウム予稿集 第14回情報プロフェッショナルシンポジウム
巻号頁・発行日
pp.41-46, 2017 (Released:2017-11-01)
参考文献数
3

特許情報の分析結果から、商品開発戦略や知財戦略立案に役立つ情報を抽出する際に、「SWOT分析」は、複雑な作業を必要とせず実用性は高い。一方、これら戦略立案事例は、企業内で閉じられて紹介される機会は少なく、筆者らは、具体的な題材を扱い、SWOT分析の実践事例を重ね、その実用性を確認してきた。 そして、近年着目される技術の中から機能性塗料の分野で遮熱塗料について焦点をあて、遮熱塗料に関連して出願された特許情報をもとにSWOT分析を行い、商品開発戦略の創出作業を試みた。戦略創出の検証作業は「塗料」業界大手事業者のK社にあてはめて行った。 特許情報を分析し、「SWOT」情報を得ようとする際、「S(強み)」情報の抽出過程において難しさがあることがわかり、この点の打開策を思考し考察した。強み把握に対する提言をまとめるに至ったので報告する。