著者
山口 真一 坂口 洋英 彌永 浩太郎 田中 辰雄
出版者
公益財団法人 情報通信学会
雑誌
情報通信学会誌 (ISSN:02894513)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.69-79, 2016 (Released:2017-02-06)
参考文献数
13

情報通信産業の新しいビジネスモデルとして、基本機能を無料で提供し、付加機能を有料で提供する、いわゆるフリーミアムがある。フリーミアムを採用しているサービスは急増しているが、特にその中でも、非定額型のデジタル財課金のビジネスモデルであるモバイルゲームは、高収益・高成長率を達成している。しかしその一方で、実証研究は少なく、ビジネスモデルの確立途上にある部分も多い。そこで本研究では、モバイルゲームのパネルデータを用いて実証分析を行い、消費者の支払行動と長期売上高の関係を統計的に検証する。推定の結果、前期の有料ユーザ 1 人当たりの平均支払額(ARPPU)は、今期の売上高に非線形で有意な影響を与えていた。また、その極大値は約 11,754 円であった。このことから、長期売上高最大化という観点からは、ARPPU が約 11,754 円になるようにイベントやガチャの頻度、アイテムの価格を調整することが最適であることが示唆された。また、フリーミアムを採用しているサービスの大半がマネタイズに失敗し、サービス終了となっている現在、非定額型フリーミアムは成功手法として着目されている。本研究の結果はモバイルゲーム以外にもいえる可能性がある。

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