著者
三輪 真理 辻村 真由子 鈴木 育子 石垣 和子 山本 則子
出版者
日本看護技術学会
雑誌
日本看護技術学会誌 (ISSN:13495429)
巻号頁・発行日
vol.8, no.1, pp.84-92, 2009-04-10 (Released:2016-08-25)
参考文献数
10

摘便終了後の便失禁は在宅療養者と家族の大きな負担である. 本研究は, 摘便後の便失禁を防ぐ方法として実践家が用いる技術を明文化し, その有効性を実証的に検討した. 便失禁を予防する技術を看護師 4名 ・ 家族介護者 1名から聞き取ってまとめ, 訪問看護師 8名にこのまとめに基づいて摘便を実施してもらい, 実践からデータ収集して検討した. 12名の療養者への計 68摘便のデータを得た. ①まとめに基づいた摘便の実施により便失禁は減少しなかった. ② 「粘液が出る」 という摘便終了の目安がみられた摘便では, みられなかったときよりも便失禁が有意に少なかった. ③ 「粘液が出る」 は浣腸を実施した場合にのみ発生した. ④ 「腸がおりる ・ とじる」 という目安がみられた摘便では, 便失禁が少ない傾向がみられた. 浣腸をする場合, 粘液が出るまで摘便を実施することが, 便失禁予防に役立つ可能性がある. 「腸がおりる ・ とじる」 という目安はさらに検討する必要がある.

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便失禁を防ぐ摘便終了の目安 ・肛門がしまる ・腸がおりる、とじる ・粘液が出る 数時間後に残便が下りてくることもある 摘便後の便失禁を予防する (日本看護技術学会誌) https://t.co/ZkIIOR9bIo

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