- 著者
-
野﨑 園子
- 出版者
- 一般社団法人 日本静脈経腸栄養学会
- 雑誌
- 日本静脈経腸栄養学会雑誌 (ISSN:21890161)
- 巻号頁・発行日
- vol.31, no.2, pp.699-704, 2016 (Released:2016-04-26)
- 参考文献数
- 12
- 被引用文献数
-
6
服薬困難の実態と薬剤性嚥下障害について、調査研究をもとに述べた。服薬困難は普通食を食べている軽症者でも、服薬が自立しているものでも見られた。事前の嚥下スクリーニングテストで服薬困難を予測できる可能性が示唆された。口腔内・咽頭内残薬はどの剤形でもみられ、ほとんどの患者は残薬を自覚しておらず、不顕性誤嚥につながる可能性がある。これらの残薬については薬剤の付着性が関与が疑われた。薬剤性嚥下障害の原因は、非定型抗精神病薬の常用量のリスペリドンが高頻度でみられた。服薬開始後嚥下障害出現まではほとんどが1週間以内、また、服薬中止から嚥下障害回復までは2週間以内であった。