著者
佐藤 純一
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.61, no.3, pp.321-337, 2010-12-31 (Released:2012-03-01)
参考文献数
12

日本の社会学にとって,医学は,「周辺領域」であり続けている.なぜ,医学領域は社会学にとって周辺であり続けてきたのか.どのようにしたら,社会学は医学に関与できるのか.その周辺に社会学(社会学者)が進出できるのか.本稿は,医学部において,社会学教員として社会学を教えてきた経験をもつ筆者が,その経験から,これらの論点を議論することを目的とする.本稿の議論で指摘する第1点は,日本の医学部の医学の生物医学(biomedicine)偏重性である.疾病普遍概念を核にもつ生物医学パラダイムと,病気の社会的構築を論ずる社会学主義の対立は,非和解的なのか,社会学が屈服・妥協するのか,排除されるのか.指摘する第2点は医学教育の「特殊性」である.日本の医学教育は,システムから教育内容(カリキュラムから教授方法まで)も,国家によって制度化されている.生物医学ドミナントで制度化された「医学教育コア・カリキュラム」体制の中で,社会学,また社会学者は,どのように振る舞えるのか.第3点として指摘するのは,医学部に支配的な「医師至上主義(イデオロギー)」である.「医学部では,医師でなければ人でない」と他学部出身者にいわしめるほどの,「すべての行為における医師至上主義」に,社会学者はどのように対峙し,医学帝国に参入し,医学部で社会学(教育)できるのであろうか.

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