- 著者
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明土 真也
- 出版者
- 一般社団法人 日本デザイン学会
- 雑誌
- デザイン学研究 (ISSN:09108173)
- 巻号頁・発行日
- vol.58, no.2, pp.65-74, 2011-07-31 (Released:2017-08-31)
- 参考文献数
- 30
音は記号であり、様々な事物を示し、種々の事象を誘引する。このような性質を「音の記号性」と呼ぶ。聴取音は、原音、音源、意味を示し、心理、生理、活動を誘引し、これらが多面的に作用して、時間や価値等の指示も行う。これに従い、本論文では、サウンドスケープ"場"を「音の記号性が作用する"場"」と定義する。サウンドスケープ"場"の構成要素は、空間及び場所、音源、外界の音、聴取者、触媒、音の記号性が聴取者に作用した結果である。触媒とは、空間及び場所、音源、音、聴取者以外に、音の記号性に影響を及ぼす事物である。また、サウンドスケープ・デザインとは、「サウンドスケープ"場"及びこれと交わりを持つ"場"のデザイン」である。そして、その目的は、記号性の最適化であり、直接のデザインの対象は、空間及び場所、音源、聴取者、触媒である。